June 14, 2015

fly-fishing いぬ

zoe


時々 釣雑誌に載っていた英国紳士の写真をぼんやりと思い出すことがある 
傍らにはすまし顔したセターが居る そんな写真、、、、


そのセターはビロードのように美しいブラウンコートを纏っていた
そう アイリッシュに違いない

なんと言う雑誌だったのか それとも それがハードカバーのbookだったのか
その何れかだったにせよ その本が何について書かれていた物なのか全く覚えていない
そもそも釣の本なんて読まないから ひょっとすると何かの広告かなんかだったのかもしれない
いやまてよ そんな写真が本当に実在したのかさえも怪しもんだ あれは単なる空想だったのかな とも、、、
だって記憶の中のその写真は白黒なんだよ

zoe

ボクの傍らには zoe がいる これは空想でも想像でもなく現実の現物だ
そして彼女もそのアイリッシュセターに負けず劣らず美しい被毛の持ち主なのである
たなびく羽飾りのような長い毛は持っていないけど そんなものが無くても美しい
ただし セターのような優雅さが無いのは確か、、、

優雅ではないが それでも十二分に美しい そんな犬を連れて釣に行く

zoefrevo stove

毎度の事ではあるが
峪底の河原に降りたら 先ずは何かを喰ったり飲んだりする
直ぐに釣はじめてもいいのだけれど そうはせずに間を取る意味も込めて一服するのだ
一服といっても 刻みを巻くこと自体2、30年前によしちゃったから ココでの一服というのはそういう意味じゃあ無い

とにかく この ”間” を 大切にしたい
別に自分にその間が必要だって事では無い むしろ必要なのは犬なのだ

犬はね 林道でも 其処から峪底へ下る辿道でも
さらには降り立ったその河原でも 何処にいても愉しくて愉しくてちょっとした興奮状態にあるんだ
だから そんな犬のココロを静めてやらないといけない お互いの為にもね

zoezoe

暫くは放って置いてあげる
そうしてあげると 犬は自由に 沢水に浸かったり小枝を齧ったり砂地に穴を掘ったり そんな他愛のない遊びを繰り返す

ボクはその傍らで 英国紳士のようにティを淹れるのだが 英国風なのティだけ それだけだ
ショートブレッドは大好きだけど----他に手軽なお菓子の名前を知らない-----近所の商店にはあまり在庫がないしね
だからそんなティのお供も羊羹とか五家宝とか松露とか、、、、とにかくやたらと餡子っぽいのが多くなっちゃう

そうこうしてると 我を取り戻した犬が ”何喰ってるの” という顔をして戻ってくる

話が長くなったけど
ティを飲みながら犬の興奮が収まるのをじっと待つという事が言いたかったんだけど
少しくらいこんな話が長くなったところで差し支えはないかと思う
なんと言っても釣の話なんてされるほうが退屈だろうしね こんなクダラナイ話題のほうが少しは面白かなと

zoe

犬の落ち着きを少しでも取り戻させる事が出来れば そうなればもうこっちのモノだ
逆にそうすることが叶わなかったなら その時は潔く釣を諦めるしかない
そうなれば毒喰らわば、、、と云った具合に犬と一緒に魚の居そうな瀬で大いにジャブジャブしよう
きっとそれも愉しいに違いないから

それでも犬と一緒に釣へ行くというのであれば
”犬はまったく言う事を聞かないものだ” と そう理解していなければいけない
ようするに 自分が愉しむために 犬に自制を求めているということを忘れてはいけないのだよ

”いいえ〜 タクのパップはとってもお利口さんザーますのよ” なんて思っているとしたら宅の犬は相当に不幸だと思って間違いない
きっとそんなお利口さんなパプはこう思っているに違いない
”なんでオマエだけ愉しい思いしてるんだ” と アレも駄目コレも駄目なら家で寝てたほうが良かったとね

だから
三分に一度くらいの割合で 棹先の下に犬が現れるのに我慢がならない様なら
もしそうなら 犬は家に置いてこうよう

だからといって犬にばかり気を使えと言ってる訳ではない
人同士でも 二人で釣遡るときなんかにそうするように 一匹釣ったら交代みたいな暗黙の了解ってのがあるかと思われるが
それと同様だと考えてはいかがかと
自分ばかりワイドオープンで気分爽快の高速ドライブというんじゃ そんなじゃあ犬だってカチンとくるに決まってるハズだ
要するに 同行が人か犬かの違いで 後はそっくり同じって考えれば簡単な事

zoe

犬は動くものに齧りつく
”タクのパップはお魚ちゃんとお友達ざ〜ますのよ” なんて思っていた ついこの前までは

ココ最近になって そんなお魚に優しかった zoe の心に変化が起きたようだ
魚が掛かると 鬼の形相で牙を剥いてやってくる
もうアノ頃の穏やかな物腰と舐めるような(実際舐める)優しさはすっかり姿を消してしまった

口を閉じられたらお仕舞いだ
だから魚が掛かった場合には 今晩のオカズにしたい時に限り zoe にそれを委ねるが
それ以外の時はボクが真っ先に間に入ってやらねばならない

ただ ”一撃食らわしてやろうか” といった本気の攻撃度数は意外も少ないようで
デカイ図体して小さい犬を脅している あの何時もの意地悪なzoe犬に見えなくもない 世に云ういじめっこだ
とはいえ事故が起きてからでは遅いので そんな不幸な事が起きないよう努力は惜しまないようにしている

zoe

爽やかな新緑の季節も終わり
これからは緑がドンドン濃くなっていく と同時に気温もグングン上ってくるから 犬が水に浸かる時間も長くなるだろう
でもボクはそんな事は一向に気にしていない

zoe も五月で三歳になった コレは先代が山沢デビューした歳だ
というコトは 今でコレだから末は、、、、、
なんといっても0歳から英才教育を受けている宅のパプである もっともっとお利口さんになってくるのは目に見えている
今後はもっとしっかりと 遡行時にお互いの呼吸を合わせてくれるに違いない
先ずは 棹の真下に立たないという事からだけど、、、、

zoe

峪沢を歩いていると思わぬご褒美に出くわす事がある

まあ それは多くの場合 ”骨” なんだな

宅のワンちゃんは三回に二回くらいの頻度でその骨を見つけてくる

あれっ ついて来てないなと振り返る と岩の陰に屈み込んでいる犬の尻が見える
近づくと 両手を器用に使って 骨を押さえこみ バリバリという音を奏でながらこんなのを齧っていたりする
最初は気持悪いのでやめさせていたけど 最近は放って置くことにしている
別に毒でもないだろうから

飽きれば手放すし それ以前に自身がソコに置いきぼりにされるのが嫌なんだろう
ボクから百ミーターも離れると一目散に走ってやってくるのだ
もちろん咥えてままって時もあるが 大概は大物の骨の重さに負けてか 泣く泣く置いてくる

そうなんだ 未練はあるんだよね
なんでソレが判るかというと 傍らまでやってきた時に そこでちらっと後ろを振り返るんだな それも必ず
そんなときボクは ”無理だから” っていうんだけど
そうするとまた決まって寂しそうに下を向くんだよね
ちょっと可愛そうなきもするけど どう考えてもアレは無理だから
仮に持って帰ったとしてもだ たとえそうしたにせよ あれを家の中に入れる事は決して許しては貰えないと思うよ
可愛そうだけどね ほんとに残念だよ

鎖蛇

帰り道 林道に蛇がいた
とぐろを巻いて動かないでいるから
鎖蛇だというのが車を近づけなくても判断がついた

蛇は大の苦手だ
おまけにこの子は毒蛇ときてる

願わくば二度とココで再会したくいので ”もう会いたくない” と声にだして告げました
でもあの子はその場を離れる気配もなく 鎌首をもたげてじっと此方を見ていました
まだ居るんだろうか アソコに、、、、。

flyfishing dog と一緒に釣をするには または フライいぬと渓流釣 つづく、、、
(釣行日 2015/04/28)

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