February 09, 2015

いぬとやまで思フ事

zoe

とにかく右手の峪沢の方が気になって仕方が無かったんだよな オマエは


林道からやまへと続く辿道に取り付くと
犬はまってましたとばかりに 引き綱を力任せに引きながら急な尾根道をグイグイ登る
犬よ お前とワタシは環つきのカラビナによって繋がっているんだから、、、なんて事はまったくお構いなしに

犬は登り始めから 勢いに乗って何かに突進するような勢いで力の限りにワタシを引いて行く

付き人は 十か二十ミーターくらい進んではそれに耐えかねて癇癪を起こす

グイッと引き込まれてはムカッとして一言 犬は何食わぬ顔でまたグイッと
そしてそれは何百ミーターにも渡り 繰り 繰り 繰り 返される


付き人は時に堪忍できなくなり小さな怒りを噴出させる
と そのたびに犬は一瞬勢いを緩める
が いぬはそんな事など意にも介してさえいない 
では、、その時勢いが少しだけ緩まるのは 付き人が何か言葉を発したのが耳に障るから だたそれだけだったんだろう


 
何百ミーターもの高低差を登り稼ぐ間 ずっとそうだった
いぬは 付き人と繋がっている巻き取り式の引き綱を 最長限度いっぱいまで一気に引き伸ばす
そして限度の五ミーター伸ばしては止まり 少し巻き取られるとまた直ぐにソレを再び伸ばしにかかる
(シュールルーッといった音とともに)
その動作を何百回も何千回かも繰り返す
だから ”ガクンといったショックとともにいぬと付き人が同時にのけ反る” のも何百回か何千回かという事になる

どんな想いで引っ張っているのかは不明だ
大方橇かなにか --- 橇は知らないから --- 荷物か重しか 兎に角そのようなモノでも牽いているつもりなんだろう 
何れにせよ 人助けのつもりでワタシを引き上げてやろうなどいう所存で無いのは確かである

それにしてもこの日の犬は良く引いた

この巻取り式の綱は 何度も言うけど最長で五ミーターまできっりの仕様だ 間違ってもそれ以上は繰り出さない
それなのに 耳を近づければギーギーといった音を出しているだろうと思われる程に
仕舞いにはそれが壊れるんじゃないかと思われるくらいの力で引く
まるで限界まで伸びきったその綱自体がゴムのようにノビるんじゃないか --- もしかしたらあと100センチくらいは --- とも思えるような馬鹿力でだ
(この綱はほぼ伸びないのだが)


〈〈 一体全体なにが伸びたり縮んだりなのかという事の補足 〉〉
仕掛自体はアメリカンメイドのフライ用オートマティックリールのような感じの代物(尚さらわかり辛い例えかもしれないが) 
単なるいぬ用(猫用としても)のリューシュ(引き綱)である
で そのリューシュが犬の動きに呼応して伸縮する機構を備えているという事である

一般的にはそれを ” flexi ” ”フレキシ” と呼ぶ (フレキシ社以外のソレも大体そう呼ばれている と思う)

とにかくその自動巻取り式リューシュに使われている ”綱” 自体に伸縮性はない
名前からすると パーツ全てに伸縮性や優柔不断な性格が備わっていてもいいかな とも思わせるが 
どちらにもそのような性質は無い
繰り返しになるけど綱に伸縮性はない が 時にあったら良いかなぁ、、、とも思わせる
けど 無いほうがいいに決まっている

勿論ハウジング自体が伸縮するはずもない
でも せめて弾力性くらいはあっても良いのでは と思うが やはりソレも無い

もしソレにソノ弾力性なるモノが備わると ”破損の確立が一気に減るので商売にも関わるのだろうか”
などといった下衆な勘ぐりも無用
地面を何十ミーターも犬に引きずられるフレキシを目撃した事があるし
現実に自分の犬達もみんなそうしていた 延べにしたら何キロミーターも引きずっているに違いない
それでもフレキシは壊れない
そんな丈夫なフレキシだから割れたり砕けたりしたところを一度も見たことがない
一度くらい粉々になっていくところを見たいと思うんだけど この先もチャンスは無いかもね

だから とにかくそんな弾力性のあるハウジングである必要も無い  無い。

ちなみにこれ(フレキシ)は ”ドイチェランド製” だ
まあ 毎度のコトだけど どれもみなどうでもいいこどだけどね

zoe

いぬとそのリューシュの ”伸ばし合い縮め合い” をしながらも 如何にか一息つける場所まで登ってきた

付き人の喉はカラカラである 
急な登り坂だったからと言うのも勿論の事だけど
それよりも ここまで来る間じゅう 歩きながらずっと
いぬに ”オイッ” とか ”ヘイッ” だの ”あ゛ぁ〜” だのとお願いの掛け声をかけ続けてきたからだ


そんな理由もあって今すぐに何か飲みたかった
だから カメラのストラップやら その例のリューシュの取り付けによって ”がんじがらめ” なのも気にせず
先ずは強引にルックサックを下ろし水を飲んだ どっかにシュリンゲが絡まっていたけど構わずに
そしていぬも相当に渇いているだろうと カップを差し出すと同時に 絡まっていたシュリンゲとリューシュを繋ぐ環具をカチッとした

すると 忽然と ”いぬ” が消える

ガサッと藪のほうから音がしたのだ それもすぐそこで
いぬがそんなのを放って置く筈もなく
アイツはその音の主を確かめるべく その藪の向こうへと続く峪底へとまっしぐらに降りていったのである

登ってくる途中でもずっとそうだった
音が気になって気になって仕方が無かったんだよね あの ”いぬ” は
”峪底のほうから何か聞こえるよっ” て顔して何度もこっちを振り返っていたからね
だから自由にしてやったら峪へ消えるのはわかっていた


あれだけ何度も何度もソレがなんなのかを丁寧に教えてやったのに
それもでいぬは どうしてもそれに納得がいかなかったようだ
とうとう自分の目で確かめに行ってしまったのだ ”ヒャッホー” なんて奇声つきだったね

暖かな午後だったから雪が解けた拍子に石がゴロっと動いたんだよ

でもいぬにはそれが石だろうがなんだろうがどでうでもいい事だったんだ
近くで不意にガサッとくれば それだけで追いかける理由になるんだよね
そう ”待ってましたぁ” って感じかな

いぬにしたらさぞ愉しかっただろうね あの時 その瞬間を待っていたんだから

でもこっちは気が気じゃなかった
あの若いいぬが 果たしてここへちゃんと戻って来れるのかどうかが心配で心配で
それはもうやきもきなんて程度の心境じゃ無かった

結局は何事も無かったような 涼しげな顔ぶるさげて戻って来たんだけど
あの時はホントに心の底からほっとしたし 同時に凄く嬉しくもあった

だから直ぐに呼び寄せて ”よしよし水飲め さあ飲め飲めっ” ってうんと可愛がってやった
いつもの事だし 犬もそうされる事が当たり前と思ってるので
 ”どうよ ちゃんと戻ってきたろ” なんて誇らしげで生意気な態度もしなかったしね

そうそう あの時なんか意味もなく誇らしかった
自分のいぬが降りた所と同じ藪をかき分けてちゃんと戻って来たことが


帰ってから家人にこの事を話した
すると たまには叱る事も必要ではないかと進言された
それから少しは躾もしたらと、、、

さてこれは困った いままで何ひとつ教えていないこのいぬを叱れ 躾けろというのだ
(そんな事しないし するつもりもないから 実際には困ってもいないんですがね)


さて 妻の望むそれとは可也違う話なんだけど
躾というと 例の ”お手” や ”まて” みたいな事を思い浮かべたりするのが一般的な気がする
それに ”つけ” とかね

いきなり切り込むけど
あんなものは普通に犬と生活していくのに何の足しにもならない

それは改めてよく考えるまでもないよね
何の意味も無いのははっきりとしているんだから

一応何故なのかをハッキリ言おう
それは多くの人が ”それを犬にやって欲しいから” それだけなんだ どんなに取り繕うったってそれに尽きるんだな
”いや違う” という意見もあるだろうけど 命令を下されてる方の立場になったら ”そうかな” って思うはずだ きっとね
”オレなんで今座らされてる?” みたいな感じだよ 具体的には

それでもやはり ”必要だ” という方も居られるかもしれない(立場的な理由が多いと思うけど)
じゃあ それなら ”お手” だけど あれができるからって犬になんの得があるのか説明して欲しい
それに ”まて” だよ よくご飯やおやつをちらつかせて何時までも我慢させてるのを見るけど 残酷だよね
結局は食べさせるんだから待たせる必要なんてないでしょ よだれも流れるし 後始末だって大変だ
いじめだよね あれこそは
だってさあ すごく食べたいんだよ ボクは でも ”マテ” って ???? その待たされているのが自分だと想像できる人は判るよね、、、。
キリがないからコノ件はこれ以上やらないけど、、、。


話は zoe の行動に戻るけど
判ってはいるが せめてなにか もう少しコントローラブルにならないかなぁ、、、と妻が言う

現に rio にも ”つけ” なんかはさせたではないか、、、、とも
(rio は人の多い街にも連れ出したりしてたからね zoe もそんな所へ行くような事になれば考えよう)

でも今のワタシに そんな事をさせようなどというのは 不可能な注文なのである

確かに rio はいろいろと覚えてくれた 膝を指してポンと合図すればジャンプ そのまま胸の辺りで抱えるとかね
でもそれは ”人” ”ワタシ” には多少の誇らしさと満足感のようなものを感じさせてはくれたけど
あんなモノが一体なになったというのか あんな事させておいてなんだけど 今では全く無意味だったと反省している

イザと言う時に抱えるのに都合がいいといった考え方もあるようだけど
どんな時がそんな場面か判らないけど そんな時犬が冷静なわけがない きっと動揺してるに決まってるよね
だってイザという時って 普通に思い描いたら ピンチの時でしょ 付き人がさっさと抱えたほうがスムーズだと思うけどどうなんだろう

コレは rio にしたら今更気づいてもらってもと云うだろうけど、、、


仮に そうする事でうんと長生きしてくれるなら喜んでそうする

でも 残念な事に コントロール自在の犬に仕立たからといって 褒美に長生き出来るような体にはならない
いや間違いなくその逆だろう

犬の命削ってまで自己満足を得ようなんてね
一度そうした間違いをやってしまっておいて いまさら偉そうなことはあんまり言いたくないんだけどね

兎に角 想いはいろいろだから それが正しいとか間違ってるとかは別にして
今家にいるコノ子には 今後もこのまま付き人同様 自由に生きて欲しいと思っている

以上が自由な犬と一緒に暮らしている者の屁理屈の一部だ


だいぶハイキングの話からは離れたけど、、、
そうそうあの時
藪から再びアイツが現れて言った ”石だったよ” って

camp site

峪底事件以外にはなんのハプニングも起こらず
この日のお目当ての場所へと無事到着

犬は ”ひょっとして今晩帰らないつもり?” といった やや不満気な表情を浮かべるも
この展開は既に経験済みなので 二度目ともなると少し余裕があるようでもあった

ワタシが天幕を張り終えると犬は ”やっぱり” という顔をした

一連の作業の後
彼女は少し離れたとこに座り 暮れ行く東の空を眺めながら ”あっちが家だよね” とつぶやいていた(に違いない)

そうだけど ”家は向こうだけど夕焼けは反対側なんだよ” と教えてあげたかったが
果てして犬が夕陽をどれくらい有りがたがるのかは不明だったので そのままそっとしておくことにした

そんな背中を眺めながらワタシは炊飯の準備に取り掛かる
そして暫くして陽が暮れた

the moon

雪の尾根は月の光で何時までも明るかったけど
そんな月明かりの中にあっても 星が綺麗な夜だった

犬には そんな事どうでもよかったのか
それとも やっぱり雪を照らすあの月に何かを感じていたのか
あの時ばかりは口数の多い犬も何故かずっと押し黙っていた
だから その真相は 今となっては判らない

zoe

夜がきて 朝がくる  〈 希望としてはギャートルズ風な 〉

犬にも人にも待ち遠しかった朝がきた 

飯は何を食べましょうか と犬に聞くと ”白飯になにか混ぜて” と犬が
それなら昨晩炊いたご飯をあげましょうと

外に出すと何かと面倒なので
ちゃちゃっと幕の中で犬に食事を用意してあげた お先にどうぞってな感じに
犬はあたり構わず飯粒を飛ばしながら おかわりすらする勢いでシェラカップ二杯の飯を食った

此方は割りとオーソドックスにチャバタとソーセージ

食事が済んでいるはずの犬だが
そんな彼女も勿論傍を離れない それはそれで狭苦しいが またそれも自由な犬を捕らえておくには好都合だった

zoezoe

夜中の一時頃を境に気温がグングンあがっていくのが判った
だから もしかしてお天気が崩れるかなと心配していたが そうはならなかった

あくる日はお天気もよくて おまけに春みたいに暖かな日だった

だから遠くの山が少しかすんで見えた
けれど 何度もここらへはやって来てるし 絶対にまた来るだろうから そんな事なんか少しも気にならなかった

zoe

ワタシたちとしては珍しく頂上を目指した

久しぶりに泥んこの尾根を歩いた

zoe の腹にぬかるんだ泥が容赦なく跳ね返る

zoe

暑い  zoe にしたら灼熱なのだ

spinnZack35Fzoe

頂上は久しぶり

広い頂上でちょっと涼んで直ぐ下る
いつまでもいると どんどん人がやってくるかもしれないからね
せっかく静かなやまにいるんだから 最後までこのままで終わりたいから

zoezoe

頂上から北へ落ちている尾根から下る事も考えたけど
未だにやる気満々の zoe が一緒だ
鹿でも見つけたら偉いことになるかなと
大事を取って一つ向こうのひっそりとした尾根から下ることにした

頂上から少し下るとそこに鹿がいた 親子だった

はじめて見る鹿に興奮気味の zoe 
鼻をピーピー鳴らしている
鹿を視界に捕らえながら此方をチラッと振り返る もっと近くで見たいのだという事だろう

だけれども それは到底無理な希望なんだよと言い聞かせ
下り尾根へと向かう

稜線から峪へと続く尾根に入ると
誰も歩いていない真っ白な雪の上に動物の足跡が幾つもあった
こういうのを追跡するのも愉しいだろうと提案すると
素直に愉しいと 
だけど さっき嗅いだあの鹿の匂いが忘れられないようで
鹿は(の匂いは)覚えたよ あれはもっと愉しそうだね とも

4-5/jan/2015 新年のやまで いぬと

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この記事へのコメント
こんにちは
こんなただのメモみたいな日記を読んでくださってありがとうございます
実際メモなんですが、、、なにがあったか忘れないように書きとめてます

なるべくストレスのないようにと云うのは当に正論でしょうね
自分たち自身が自由でいたい口ですので
この先もずっと 犬にも同じくそうさせてあげようと思ってます
またご訪問いただけると幸いです
ではでは
Posted by m&M at March 12, 2015 19:27
こんばんは。はじめまして。
犬と山で!!私のあこがれです!!うらやましい!!
まずは犬を飼える環境を整えることから始めなければなりませんが、日々犬について勉強中です。私がその方式で育てようと決めていて、今、最も新しいのではないかと思われるドッグカウンセラーの言うところの、「ストレスのないワンコの顔」をzoeちゃんはしてますね。みけんなどにシワがなく、顔がつるっとしていて、目がまん丸、口は後ろにキューっと引いていない。目が優しい。
私も犬がそんな顔になるような関係を築いて、一緒に山に行くのが夢です。ワンコと一緒にテント泊レポート楽しみにしています。

Posted by caramelmaffin at March 11, 2015 22:41
そうしているうちに良い子になればいいんですけどね

短い犬生なんだから トレーニングに掛ける時間なんてもったいないでしょ
あそんであげたり ほっといてあげたりした方が犬は幸せだと思うのよね 
Posted by m&M at February 15, 2015 19:03
お〜たけサンとの、毎日や

お出かけ先での一緒の行動そのものが「躾」(語弊があるけど)に

なっていると思うんだな・・・おいらは。
Posted by けんけん at February 15, 2015 13:41