August 14, 2014

二代目釣犬と

ニーニー蝉

気がつけば二度目のお盆


zoe prays ,,,

きょうも暑い 
だからもっと暑くなる前にと 急いで zoe を連れて朝の散歩に出る

暑さのせいか うらやまには人影が殆どなかった

いつものように芝の広場を横切って最初の日陰に滑り込む
するとそこの一番手前の立ち木にニーニー蝉の殻が幾つかとまっていた
そういえば今朝からやたらとニーニー蝉の声がしてるなと、、、。

ニーニーは他のに比べるとまあまあ可愛くてなんとなく愛着が持てる蝉だ
そうはいっても あれを手にとって愛でるほどの そんなこゝろの広さと器量は持ち合わせていませんがね

ただねえ こげ茶色でやや大ぶりなアブラに比べると これが不思議と可愛くみえてしまうのは否定できない
なんといっても奴らに比べたら声がいくらか爽やかだ いや 爽やかというのは間違っているかな
アブラのあの暑苦しい声と比較すると なんとなくそう感じるというだけの事かもしれない

見た目だけなら透き通った羽を持った ミンミンやツクツクボウシのほうが好みだけれど
でも鳴き声を加味した総合評価ではやっぱりニーニーが一番なのだ

仮にミンミンがもう少し高音で透き通るような声をしてたら そしたら評価も二段くらい上げてもいいんだけど
それでも鳴き終る時のあの断末魔的終わり方のせいで どう頑張っても一位には成りえないだろう

それとオーシンツク (そうそうツクツクボウシの事を子供の頃はオーシンツクって呼んでいた もちろんおばあちゃんもね)
アイツの細身のスタイルは抜群だと子供の頃からそう思っている
でもね やっぱりコイツもあの鳴き方に少し問題があるような気がするんだな
なんだってあんな複雑で おまけにあんなデカイ声で(みんなそうだけど)鳴かなきゃなんないのか 
いやぁ まったくもって理解不能だよね

なんだかんだとケチをつけたけど 蝉取りはクワガタ取りと並んで大好きだった
だから大人になった今でも 蝉は嫌ではない いやどちらかといえば好きな虫だ 

だけどね このクソ暑い夏の最中にあんなデカイ声張り上げて
おまけに悪意があるとしか思えないくらい近くで鳴き始める奴が居るのは何故なんだ
なんだってわざわざ窓の直ぐ脇にある細い木の幹になんかに張り付く必要があるんだっていうんだろう

あんなとこで叫びだされると もうこれは殺意さえ覚えるね 正直いって
 ”クソ蝉野郎” って小声で言うだけでホントに潰したりはしないけど、、、、 

ただでさえ暑いので蝉の事はこのくらいにしておこう
だいたいからして タイトルの犬釣ともだいぶかけ離れた話になっちゃたしね



今年の夏は酷く暑い(去年はどれくらい暑かったのか覚えていないけど) 

いつも通りの暑さなのかもしれないけど とにかく体感的には嫌になるくらいに暑い

そんな暑い最中に これまた遮るものさえないお墓へ 暑さの苦手な犬を連れてお参りに行った

その後 ”せめてもの罪滅ぼしに” とか ”涼みにがてら” とか
とにかくそんな かこつけ的理由をこしらえて やや参っている犬を連れていつもの峪へ行くのだった

線香の匂いぷんぷんでね、、、

zoe fishing

早いもので七月十五日の盆に rio が逝ってもう2年もたった
そんなわけで当然 zoe も2歳になるのだが、、、、、


毎年今時分になると犬を連れて釣にいく谿沢がある
ここは先代犬の rio と一緒に良く通った谿沢だ 要するに ”おもひでの沢” なのである

一昨年の夏にあの犬を亡くした時には もうこれで全てがお仕舞だと思った
山にも沢にも とにかくいつも一緒だった rio を亡くして もうダメだと本当にそう思った(正直恥かしながら思いつめた)
でもいまもこうして 毎年あの時のように同じ季節に犬を連れてココへ通っている



あの絶望の日から 
あれからひと月ほど経った旧盆の頃に現れたのが zoe

たったひと月の短い間だったけど ボクらはホントにいろいろと考えた 
そして勿論賛否はあったが 結局そういうことにしたのだ 

そうそう zoe がウチにやって来た時に一つだけ誓ったことがある 
それは ”コイツは完全自由に育てる” ということ

だからこの子には 世間で云う躾といわれるようなコトはなにもしていないし教えてもいない 
だいたいからして 人間が犬になにを教える必要があるというのか そもそもおこがましいとしか言いようがない 


犬猫というのは 
人がそうして欲しいということを押付けがましく強制(矯正)しなくたって 大概のことはそのうちに理解してくるものだ
そのうちにというのは ほんとにそのうちにって感じだから とにかく気長にやろう


とくに座ることや 伏せをすることくらいは自然にやるから 
そういう姿勢をとった時に ”それは伏せだね” とか言ってみることくらいはする
すると彼女もそれなりに言葉と動作を繋ぐことが出来るようだ 
それに常にウチの中で一緒に暮らしているから 嫌でも言葉を覚えていくみたいだしね

犬には幼児並みの知能があるって 何処かの偉い先生が言ってった それならこれくらいは当りまえだよね

それからボールを投げて持って来てもらう遊び あれはいまでもたまにやる事があるんだけど
前に比べたら最近は殆どしなくなった 
そもそもボールを持って散歩にでるコトがなくなったのもあるけど
それよりもアイツは枝が好きなんだな 枝はうらやまの何処にでも落ちてるしね
枝なら 好きな時に好きなだけ齧ったり引きずり回したりできるんだよ そん時の気分でね
 
だからわざわざ遠くへ放ったボールをせっせせっせと運ばせなくても 
彼女はうらやまにあるモノだけで十分に愉しんでるみたいなんだ

誤解のないように言っとくけど ボール投げだってきっと愉しいんだろうとは思うよ
でもね アレはどこかシゴキっぽさを感じるんだよね
だからさ アイツがどこかの時点で ”いいかげん疲れたよ” って一言言ってくれればと思うんだ 
けど そうもいかないでしょ、、、、


自由人の zoe は呼んでもなかなか傍へ来ない

でもうんと離れて過ごすのもちょっと嫌なんだろうね 
だからアイツは付かず離れずいつもその辺にいて
そして草を食んだり穴を掘ったりして自分なりの愉しみに徹している
たまに横目でこっちを監視しながらね


そんな犬を連れて釣に行く

across a stream

そんな自由奔放な犬と一緒に釣に行くのだから 最初から釣果などに期待を膨らませてはイケナイ
そう ”犬と一緒に釣に行ける幸せだけで充分なのだ” と そしてさらに続けよう
   ”釣れなくてもいい 川に来られるだけでいいのだ” そんな ”カッコつけしい” な釣人のようなココロ持ちで峪底へ向かうのだ

でもね 本心はそんな言葉とはまったく違うんだよね

幾ら本当にこゝろからそう思っているんだと言ったところで
手には棹が確りと握られているんだ
おまけにその棹には とっておきの仕掛けの巻かれた これまたお気に入りのブリテン製のリールが嵌め込まれている 
仕掛けの結び目だってもう何度も何度も見直してたりしてね

これじゃあ いくら何を言ったところでそれはもう空々しくも虚しいだけだよね
だから止そう そんなこゝろにもないコトを口にするのは

zoe and spinnap車止めに到着した頃には猛烈な暑さも一段落した後で
爽やかなとまではいかないまでも 
山裾に居るだけあってかそれなりに過ごしやすかった

その辺で匂い嗅ぎでもしてなよと言って犬を放ち
のんびりと握り飯を喰いながら仕度を始める
でも うかうかしてると直ぐに陽が暮れてくるので
この日はわりとてきぱきと、、、

さあ出来たと 犬を一旦繋いでゲートに向かう
するとボッカ姿の男女が下ってくるのが見えた
ゲートの前で待っていると ”caffe nero の方ですよね?” と聞かれた
はたしてその二人はウチのお客さまだった

これからですかって言われて ”はい 沢なんで” とへんな答え方をした

”釣なんです” って正直に言っても良かったのに つり人というのは誰に対しても
そんなツマラナイ警戒心を抱いてしまう駄目な人間なのだ(あくまでも私個人のコトです)



まだ熱の残るアスファルトの林道を二、三十分も歩くと下降点に着く
そしてその入口は夏草に覆われて一見わかり辛い
でも既に何度も来てるから zoe は覚えているようだった
躊躇なくその藪を割って踏み跡へ向かう zoe   後ろ姿がたくましくなったもんだ

zoe fishing

峪底は涼しかった
といっても林道に比べれば だけどね

棹を継いで 急いで水に足を浸けたんだけど(暑かったから) なんだかあんまり水の冷たさを感じなかった
というよりさかなが生きてられるのかってくらい温く感じた
でもそう感じたのは 峪を早足で駆け下りたせいで 
それだから少しするとすぐに冷えてきて そしてヒンヤリとした感触が戻ってきた
こうなるとなんだかとても気持ちがいい
だから意味もなく犬と一緒にジャブジャブと 毛鉤も投げずにしばらくはただただ沢を遡って行った

zoe licked fish..... please!

釣の共としては まだまだ先代のようには行かないけど
それでもうんと言って聞かせれば そうすれば どうにか毛鉤を流しきるくらいの間は隣にいてくれることもある
大概は棹先の下辺りで何かが起こるの待っているが、、、
まあこれくらいで充分だと そうおもわなければバチがあたるだろう
なんといってもこれは自分たちが決めたこと この子にはなにがなんでも自由でいてもらうのだから


zoeexhausted

いつものように絵勢沢の出合いまでで仕舞いにする  する というよりこの日もここで時間切れだった

毛鉤をちぎって棹を仕舞っていると 匂い嗅ぎが済んだのか zoe がやってきて石の上にパタリと伏せた
そして伏せたかと思うが早いかそのまま寝に入る ”いやあ疲れたね” と言わんばかりに

zoedriven

日暮れも近かったけど せっかく zoe と一緒なので沢通しで下ることにする
林道にあがって遠くを眺めながらブラブラ帰るのもいいんだけど 
それはこのまま下って最後の支尾根を登ってからでも充分楽しめるので 取り合えずはジャブジャブやりながら下る
陽はとっくに山陰に隠れていて ところどころ峪底は薄暗い所もあるけど
それでもまだかろうじて陽の当たってるところもある
これなら暗くなる少しまえには林道に上がれるだろう

途中少しだけ水深があって流れの太いところがあった
油断してたんだろうね zoe が2mくらい流された

ここはひょっとしたら流されるな と思ったので 対岸から観戦してたんだけど
案の定、、、、あのときの顔ったら傑作だったね 
目が点だったよ ホントに

脱渓点thirsty dog大群山
林道に上がるとまだ明るさが残っていて
峪底にいたときのちょっとした心細さが消えた
どうやら日暮れまでには車止めに戻れそうだった

zoe には林道歩きも沢あるきと同じくらい愉しそうだった


林道を歩きながら藪に顔を突っ込んでる犬に話かける ”なにか喰えそうなもん見つかったか?”
しかし犬は ”いいや” ともなんとも言わない
けど それでもさらに話かけてみる ”木苺がいい頃だろ?” 
なんとなくこっちを振り返りはしたけど 果物には興味が無い犬は相変わらず無言だった

トンネルを二つくぐると影のような大群がいきなり大きく見えた


二代目釣犬は zoe といいます
頭はねても怒らないでくださいね、、、なんせなにも知らない自由な犬ですので

(釣行日 2014/07/16)

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この記事へのコメント
そうですね。あまり自由とは言えないかもしれないけど、その分、まあ、言いたいことも言って、長生きして欲しいです。
Posted by 加藤晃一郎 at August 28, 2014 21:13
加藤さん
とにかく お互い ”ながいきしてくれ” と祈りましょう
それしかありません

nero rio と立て続けに逝かれた我が家でしたが
緩い性格の zoe のおかげで わりと早めに軌道がもどりそうです
この秋は久しぶりに一家でキャンプでもと言う話も出ていますが どうなるかは、、、。
Posted by m&M at August 28, 2014 01:52
読んでて感じちゃったので、まあ、大武さんのきもちがわかるとか、これを書いてわかることが目的ではありません。
ので、無用に近い徒然です。
うちは一昨年のお正月、それまで11年付き合ったjin、綴りは違いますが、ジンクリアのジンを病気で亡くしました。釣りに連れて行くと川にも入らず高巻きしてついて来るようなできた子でした。釣りに限らず、車でかみさんとjinと出かけることが常でそれこそ何万キロも彼と出かけました。
亡くしてから、車で出かけると、きっとjinといった場所で、かみさんが泣くんです。
もちろん、かみさんが泣くから現在の玄になったわけではないのですが。
僕自身が、耐えられなくなっていた時分のことを思い出しました。
今は、元気の玄です。
Posted by 加藤晃一郎 at August 27, 2014 19:42
休みの日にでも来日してください
それで散歩のお供をお願いします
Posted by m&M at August 18, 2014 12:15
この子は
ホントに
カワイイ。😌✨
また、会いたいです。
Posted by ナベ at August 18, 2014 08:35