March 16, 2014

酉谷山避難小屋へ

trangia TR210

飯炊きに行った


車止
”飯炊きに、、” なんて言うと 
またまたいつもの戯言がはじまったぞ
なんて思われるかもしれないけど
ホントにそんな感じの二日間であった事に間違いはない

小屋へ着いてから、、、その後、、、でまた食事時になると、、、

夕方炊いて
翌日
早朝に炊いて
昼にまた炊いて

もっとも初日の夕方以降の儀式は
同行のつだくんが一人でとり行っていたので
ボクはそれを少し離れたところから眺めていたにすぎないが、、、。



とにかく飯を炊きに行くために
ココに車を捨てて林道を歩き始めたのである




小川峪林道峪道















林道はあるきだしの一部がヤケに荒れていたけど
その最初の崩れを過ぎると
どこにでもよくあるごく普通の林道が
やまの奥の方まで続いていた



とっくに陽も昇ったというのにその林道は薄暗くうすら寒い
寒くて退屈で永遠に終わらない林道あるき
そんな寒々しい道をいつものようにバカばなしをしながらトボトボ行く
いったいいつ終わってくれるのかしらなんて考えながら

しかしそれは以外にあっけなく終わる
一度の休憩の後 再びあるきはじめ 二十分か三十分か経った頃
その先のカーブのRに支尾根が降りてきているのが見える辺りまでやってくると
すると同時にソレは終わってくれたのである

そしてその後程なくして朽ちた登山道の入り口が現れる

登山道の入り口で
鹿撃ちに来た2人の鉄砲撃ちが休んでいた
その衆らに ”何処かで鹿見なかったか” みたいなコトを聞かれたので
鹿にはまったくもって申し訳なかったが 
不覚にも 正直に今歩いてきた方の谿の向こうを指差して ”あっちで鳴き声がしてた” とタレ込んでしまった
だけど彼らは ”あっちは雪が多くてダメだ” と言いうと そんな耳寄り情報とは正反対を目指して行ってしまう

あやうく鹿の運命を変えるところだったが
彼らの ある意味ゆる目の狩猟欲のおかげで
ボクはたれ込み屋になるのを逃れるコトができた

そんな彼らの後ろ姿を見送って ボクらもその後直ぐに荷物を背負いあるき始めた

登山道は林道の入り口と同じように荒れ気味で
おまけにフカフカに降り積もった落ち葉が更に危うさに輪をかけていた
谿をへつるように付けられた道はすっかり落ち葉で埋め尽くされていて
しばらくあるかれていない という雰囲気が伝わってくる

そんな落ち葉の中を行く訳であるが
時々足元がずるずるすると谿側へ滑っていく
そんな時には決まって ”キャー” とか ”うォー” とかわざと奇声を発しながら進むんだけど
それがやたらデカい声なもんで それに呼応するかのように鹿が警戒の声を発する

そう 鹿たちは直ぐ其処に居たのだ 
きっと彼らは鉄砲撃ちとボクらの話を聞きながらじっと息をひそめ
気配を消していたに違いない

動物っていうのは人間が思っている以上に賢いし知恵があるものだ
いやそういう言い方は失礼かな 
こんな山の奥での彼らは間違いなく知恵者で賢者だ
それにくらべてココでの人ときらた、、、 
おそらく彼らに言わせれば 
人の知恵なんてものは幼稚な思いつきかなにかくらいなもんだろう

とにかく彼らの発する ”そんなトコでなにモタモタしてんだ” とも ”はやく彼方へ行っちまえ” とも取れる声に送られながら
わくわくドキドキの切れ落ちた谿の道を辿るのだ

尾根
やがて登山道が遥か下に流れていた谿と出合う
そしてその如何にもヤマメの棲んでそうなその谿沢を跨いで右岸に取り付く
そしたらそのまましばらく沢伝いに歩くんだけど
その沢沿いの道らしきルートは雪が深くて歩き辛かった 
だから 知ってか知らずにか左へ左へ上へ上へ(楽なほうへ楽に見えるほうへ)と広い尾根を目指していく
もうルートを外すのは承知の上でね

途中で一度コンパスを確認したんだけれど、、、

確かそのときは、、、恐らく行くべき方向とは二十度くらいズレていたと思う
それは磁石を見るまでもなくなんとなく判っていた 
と言うより どれくらいズレていたのかを確認したんだ 電子コンパスでね
でも行くべきその方向には見るからに難儀しそうな吹きだまりがあって
だから身体が自然にそっちを避けて その誤差を ”見なかった事にしようよ” と
とにかくそうする事にしたかった

それにその偏った角度の先に見える広くて明るい尾根が それがほんとに魅力的で
とにかくそっちに行きたいのを我慢するコトなんて 
あのトレースひとつない広い尾根を見たら
そりゃあもう誰だってあっちへ行く事を我慢するコトは不可能だったに違いない
それに少しくらい方向が違っても 行くべき方向まで見失っていた訳じゃあなかったから




だけど 仮にその時に ほんとに何処にいるのか判らない時には
そんな時には絶対にその魅力に負けてはイケナイ 魅力的なモノには弱いのは判るけどね
でも もしそんなコトになったら 直ぐに来た道を辿って仕切り直しをしよう
さもないと春まで其処で貯蔵される事になるかもしれないよ いや冗談じゃなくてホントにね



尾根
何はともあれ兎に角ボクらは広くて明るい尾根に無事に乗っかったのである

乗っかった尾根は真っ平らで
そして想像通りに美しかった

ここで一休みして そして足ごしらえをし直した
そうしてから動物の足跡を辿り 西の方からやってる道に乗る為そっちの方を目指してまたあるき始めた

ところどころに人の点けたトレースがあるようにも見えたんだけど
良く見るとカモシカか何かのようでもあり でも人のそれのようでもあった
でもホントの所は人の歩いた跡なんかじゃあかった
当たり前である ココまでまっさらな雪面だったのに其処へいきなり人が降り立つ訳がないのである


避難小屋から摂氏5度

東西に付いている道
その道が付いているのは稜線上ではなく それを跨いだ東京側にある
その道は山の腹を巻くようにつけられていて
風裏なのかどこまでも穏やかで なだらかで のんびりした道だった

小屋はそんな巻道を更に少し東京側の谿側に下ったとこにポツンと建っていた

炊飯
小屋には先着の方が一人
雲取を越えて来たらしいが 途中で足を挫いたので大事を取ってココで一晩過ごしてから
明日の朝ゆっくり下ると話していた

ボクらはまだ陽も高いというのに
アレコレ話をしながら酉谷山へも行かずに飯を炊き始めた
そして腹いっぱい食ったあと 陽が暮れかけてきた頃に、、、、
やる事もないので ”酉谷山へでも行ってみますか” と
そんな感じでのこのこと出かけてはみた

しかし 
出かけてはみたものの
結末は 当然の成り行きというのか 見えていた顛末とでも言うのか
想像通りの日没時間切れ
なので薄暗い山中を潔くゲラゲラ笑いながら降る

それでも暗いなと思っていたわりに明るくて
それが目が慣れて更に明るく感じて
そんな雪あかりのぼんやりした明るさがなんとも心地いい日暮れの雪尾根だった



雪尾根に付けた自分らの跡を辿り小屋へ戻ると
西の方が焼けていた

如何にか聞こえたfmラジヲが明日も天気はイイと言っていたように聞こえたけど、、、

避難小屋で富士



翌日
つだくんは早朝から炊飯していた
ボクは何を食べたか今となっては思い出せないけど
彼のメスティンが吹きこぼれる前に朝飯をすませた事だけは覚えている

それでも 彼のメスティンが大人しくなって そしてごはんが炊き上がり
彼が鼻の穴を膨らませながら 得意満面で瓶詰めの海苔の佃煮をだした時には
正直今からご飯を炊いてもいいと思った

ミニトランギア



ゆっくりのんびり小屋でくつろいだ

あんまりのんびりしていて ココでお昼の炊飯がはじまりそうだったくらいだ

けれどそうなる前に三ツドッケへ向けて歩き始めた

つだくんつだくん

天気は曇り
それでも時々陽が射して
まったくの曇天という事でもなく
おかげで汗もかかず 雪の中を歩くにはホントにいい陽気だった

景色も
それほど遠くの山は見渡せなかったけど
雪のついた山と曇り空独特の白黒感が冬らしく
梢が切れる度に立ち止まってそっちの方を眺めた

trangia tr210炊飯



そして最後の飯処

つだくん今行程最後の炊飯を見守りながら
ボクはメスティンでラーメンをうでて 
またもやさっさと食事を済ませる
そして食後にはぜんざい 
そして最後に珈琲、、、、



しかし ボクがそこまで済ませた段階でも彼のメスティンは一向に吹きこぼれない、、、、、
、、、、、、そしてつだのメタが尽きた

実は 彼は なんとこの行程中の全ての食事をメタ(正しくはエスビット)でこなしていたのである
そんな彼のチャレンジ精神に報いるために ココでボクは喜んでメタを分けてあげたのだが
はて ホントにボクはあの時メタを彼に分けてあげたのか、、、、やはりこの事も今となってよく覚えていない
まあそんな事はどうでもいいのだが、、、、とにかくそんな愉しい食事時間を彼と共有できたのは幸せだった と云うコトだ


天目山にて1576天目山にて

どんぐりまつぼっくりいぬ

天目山を下ったとこに避難小屋がある

その辺りまで降りてくるともう殆ど雪も消えて
その先は土の道になった

こうなると後は黙々と下るのだ
黙々と、、、。

つだくん水













行きの林道同様に永遠の下りも突然終わる
その終わりはバスの通る集落の道に出た所で終わる
其処には皆がよく知っている雰囲気のある水場がある
水場の奥の方に猫がいて
其処でボクらが水を飲むのを眺めていた




集落
最後は犬に見送られて
車を拾いに続きの林道を辿った


”奥多摩の避難小屋で飯を炊く” 酉谷避難小屋篇 終わり

(日程 3rd jan 2014 ~ 4th jan 2014)

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この記事へのコメント
この時季どこへ行ったか
そこでナニがあったかを忘れないように書きとめているようなモノですが
それでもそう言って頂けると嬉しいです
ありがとうございます
Posted by m&M at March 24, 2014 13:30
楽しく読まして頂きました。ごち・でーす♡
Posted by ら・くか at March 24, 2014 02:17