November 23, 2013

小屋へ行くのに先ずは北岳に登る

芦安駐車場

今シーズンはあまり小屋へ行っていない、、


【今年あんまり釣してないでしょ】
小屋に着いてあれこれ話をしているうちに星にそう言われた
もちろん反論してみせるが小屋番はたたみかける
【そうじゃない ココで 両俣で釣してないでしょっていってるの】
ああ、、それはもっともだった
だけどあと少しのつもりで抵抗を試みる
 [いいかげん釣ったからもういいですよ 残りはみんさんで愉しんでくださいよ] 
なんて言ってやったけど ホントはなんでだかよくわからないのであった


朝一番のバスに乗るつもりだったけど 
家でボヤボヤしてたら広河原行きのバスの発車時間まで残すところ約二時間になっていた
二番でいいかなと思いながらも 
久しぶりにしっかりと車を走らせて一番のバスの時間に間に合わせた

しかし
予想はしていたけどバスは出なかった
前の晩に というより今朝方まで降り続いた大雨の影響で石が落ちたらしい
まあこれはよく有るコト
なので特に慌てる事もなく かと言ってなす術もないので大人しく村の駐車場でのんびりする
両俣小屋へ行くのは明日になるなあ、、、なんて計画を少し練り直しながら

そうそう 津田くんと康平くん一行も列車で此方へ向かっているので
今のこの状況を伝えておいた

広河原

あきらめムードで停滞を愉しんでいたけど
わりとあっさりと乗り合いタクシーの運転手さんから林道開通のお知らせが届いた

本当はシーズン最後くらいは山交のバスに乗って行きたかったんだけど
バスは開通のお知らせを営業所で待っているので まだココへ来るにはしばらくかかるだろうから
ここでも大人しく乗り合いタクシーに便乗させてもらう事にした
あのジーゼルエンジンの騒音の中に乗っかって
ああ今年も小屋閉めかあ、、、、なんて想いに浸りながら旅気分で行きたかったんだけどね

大樺沢広河原

広河原に着く頃にはみるみる天候は回復
来る途中の有料道路であれほど降ってた雨が嘘のように

予定では紅葉真っ盛りの筈であったが 今年はまだまだといった様子
唐松が殆ど黄色くなっていないのが理由のソレで 一見蒼々とした感じにも見えた
まあ今年は未だ上に雪が積もっていないだけ良しとしようか いやソレも少し残念な気もするけど、、、

広河原に着いた殆どの衆らが北岳へ向かうようで
北沢方面へのバスに乗り換える人は数える程もいなかった

御池小屋ガス

大樺沢を辿るつもりだったけど
御池から鳳凰の写真を撮りたかったのでちょっと寄り道した
だけど急登の樹林に入って少しすると
あれほどまでに回復してくれたお天気がまた怪しくなってきて
御池小屋に着いた時には辺り一面ガスのなか
バスの遅れでどうせ両俣へは届かないんだから --- いや行こうと思えば夕方には着くだだろう --- ここでゆっくりお昼でも摂るつもりだったが
そんな気分も消え失せるくらいの そんな薄ら寒い霧の御池
小屋閉め作業風景が一層そんな雰囲気を煽る 
こうなると火を焚くなんて無理な感じで菓子パン齧るのが精一杯
うまそうな水を今晩の飯の為に余分に汲んで そそくさと御池を後にした

八本歯のコル富士コル標

二股から再びほんの少しだけ雪渓が残る大樺沢へ戻る

少し登ると広河原山荘で見かけた方がガスに巻かれながら休憩をとっていた
暴風雨の鳳凰からの逃避行と昨晩の惨状を語る彼らには生気が無かったが
この時吊尾根方向から段々に空が青くなっているコトに気付いていたに違いない
いや この時はまだ期待半分といったとこだったかもしれなかったけどね

雲海富士岩ヒバリ

コルを越えて遠くに富士が見えたとき さっきまでの期待が現実になった

トラバース分岐でブロッケンにハマっていると さっき出合った2人組が登ってきた
すっかり生気を取り戻した彼らが ”ここまで雄叫びをあげながらトラバースを目指してきたんですよ” と
判るような気がしますね 大雨 うすら寒い一面のガス 小雨、、、、雲海の彼方にデカイ富士

そんな雲の上でいい気分になっていると また一人昨晩雨に打たれた山屋が上がってきた

そして ここでしばらく話に花が咲き
そして なんとココに居る四人全員が埼玉は東武地区出身である事が判明
そして 盛り上がるのである 彼らが草加出身だと言えば 兄嫁が草加出身ですと
彼が春日部ですと言えば 父が春日部出身ですと
で とどめに彼らが言い放つ ”チームさいたまですねえ” だって ぷっ!

トラバース分岐さいたま隊

盛り上がりに盛り上がるも いつまでもココに留まるわけにはいかない
なので一足お先に頂上を目指す
頂上分岐で振り返ると チームさいたま が愉しそうに登っていた

山頂北岳山頂

頂上は、、、再び雲の中だった
それでも時より雲が飛ばされると
反対側の雲にブロッケン
そんな光景にどっぷりハマって居ると 
少し離れた所で いつの間にか頂上に上がってきていたチームさいたまがブロッケンに嵌っているのが見えた

再々会を頂上で祝い
店の営業をかけては烏山での再会を誓い
ボクは肩へ
彼らは山荘のテン場へと分かれていった

肩の小屋肩の小屋テン場

肩のテン場で設営を終えようかとしていると
津田くんと康平くんがタイミングよく現れた

でね なんか訳も無く嬉しいってのはこういう事なんだなあって思った

でもね そんなコトは全く伝える事なんてしなかった なんかそういう一種センチメンタルな思いっていうのはほんとに気恥ずかしいもんだからね
それでも今晩の幕営地を山頂越えて肩のテン場にしたのが正解だったって
しみじみ感じたのはほんとにホントのコトではあるんだけど、、、、

その晩
男三人が首を90°に折って
そんな格好で満天の星空を見上げた

ロマンチックとは程遠い絵面を如何か想い描いてみて欲しい

ああそうそう
流れ星を見つけるより人工衛生を見つけるのに躍起になってた奴らって
どうにも可笑しいよね いや全く

肩の小屋テン場にて終わり 二日目へつづく

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