September 22, 2013

jimi hendrix といわな釣

いわな

峪を抜けて林道に出ると
そこにはパープルヘイズ(ヘイジョーだったかも)を熱唱している(ようにみえた)青年がいた(青年は確かに居た)


三時か三時半くらいには峪を下り始じめていたんだけど
結局車に辿りつく頃には辺りは暗くなり始めていた



最後に手ごわい藪を突きぬけて支流を一本跨ぐと林道に出る
そうすれば後はその林道をだらだら降るだけ

”いやいや沢通しの脱渓後にあの藪こぎは、、、” 

なんて、、笑いながらそんな話をしていると
五十ミーター程前方にジミ・ヘン風(時代設定という意味)の青年がひざまずいて天を仰いでいた
傍らにはなにやらデカイサムソナイトのようなモノが見える

  ”遺棄現場に出くわしたのか” 、、、、、一瞬ボクらは凍りついた

どうする? なんだあの人は? なんだあれ? と小声でお互い質問をぶつけあいながらビクついていた
しかし歩みをとめることも出来ずに どんどんヘンドリックモドキに接近していくのである

嫌 とまるとかえってマズイんじゃないか、、、といった思いと共に自分の意思に反して近づいて行かざるを得なかった

”黒いカバンをさげて、、、おまわりさんによびとめられた、、、” 
そこに居たのはおまわりさんでは無くジミなのに 
それなのに あっちはジミなのに 
であるにも関わらず何故かこっちはあの歌の歌詞が頭の中に浮かんできた、、、

ああどうする、、、とその時 青年が此方に気がつきほほ笑んだ

ああとうとう、、、気付かれた

こうなったらなるようにしかならないと腹をくくる二人

速度を落とさずジミに迫る、、、
するとようやくあの黒くてデカイカバンのようなモノがなんなのかが判った
 
絶対に仏様が入っていると思い込んでいたアノ黒いサムソナイト
実はそれがどうやらそうではなくて 
それは彼の愛用のグイタアーが入っているであろう
黒いろのギターケースだったのである、、、。なんだよオイオイギターなのかあ、、。

それでも安堵した、、とまではいかなかったけど
なんとか ”こんにちは〜  どうも〜” なんてことくらいの言葉を発するまでに回復することができた
ただ それ以上の言葉を発するまでには至らなかったのも事実

いや挨拶の言葉を投げかけながらもビクついていたに違いない
それが証拠に いままでの二倍くらいの速さで一気に彼の後ろを(峪側でなくちゃんと山側を)通りすぎたのである
後は振り返らずに、、、、、

いわな釣いわな釣いわな釣

前に来た時は右の沢を遡ったのできょうは左の沢へ入り込んだ

分岐から少しだけ支尾根を登って向こう側へ降りる
さらに沢を渡って辿道を探したかったんだけど
一昨日の雨で結構流れが太くなっていてちょっと躊躇させられた
けど ほんとは沢音が大きかっただけで
ちょっと見渡すと至る所に渡渉可能な岩が頭をだしていた




辿みちは意外な程に踏まれていて 釣りをする身にはそれがかえって心配だった

いわな釣いわな

実はもう一時間くらい薮を漕いでから釣り始めるつもりだったんだけど
ボクらはまったく我慢を知らない

ほんとうならもう少し歩いて もうほんの少し上流までいくはずだった
そうすれば その頃にはすっかり峪筋に陽があたって
いわなもぽっかり浮いてくるだろうと
でもボクらはほんとにせっかちで
まだ少し肌寒いというのに最初の藪を抜けたところで棹を継ぎ始めた

それでも釣れてくれるいわなが居るんだな、、、ほんと たまぁ〜にだけどね

いわな釣防水サックいわな

釣果に恵まれない時は 珈琲でも啜りながら一旦休憩するといい、、ような気がする
別に珈琲じゃなくてもいいんですけど、、、例えば餡ドーナツとかクロ棒とかでもね、、、。
そうそうお茶沸かしたりとかじゃなくてもいいって事です

なんにでもあるけど この間が大切なんじゃないかな
別に確たるこころあたりがある訳ではないけど

しかし 湯を沸かして珈琲淹れてたら なんと雨が降ってきた(間とかの話以前の問題発生だな)
  ”きょうは晴れっていってなかったぁ、、、” などと嘆き悲しんでもどうにもならない 
そう こればっかりは誰にもどうする事も出来ないのであるから、、、

幸いにして それほどの雨ではなかったけど
一応ザックに防水サックをインサートした
更に幸いなことに 
ポチポチきたその雨は 雲の加減だったのかそれ以上強くなる事もなく
いわな釣には持ってこいの 
ぼ〜んやりとしたそんな良い塩梅の空模様に落ちついてくれた

いわな釣espressoいわな

お茶休憩からあっという間にお昼の時間に

お昼の時間なのでちゃんとご飯を食べる
といってもお湯を沸かしてカップ麺をふやかすだけだけど

麺がふやけるのを待つあいだ握飯も食べる

この握飯だけど ボクは海苔が最初から貼りつけてあるのが好きだ
複雑な手続きを経て海苔を後から着せてやるみたいな
あの手の握飯はあまり好きでない
だいたいあの方式の握飯ときたら 必ず小さく切り離された半券みたいな海苔がセロハンの端っこ残る
先ずあれが嫌い それと紙みたいに海苔が堅くて、、、やはり嫌い
だからなんだと言われそうだけど、、、、とにかくそう言うことだ 
いずれにしてもここで云う握飯というのは
よく商店で売られているあのセロハン包の握飯の話である 
判っているよ そんな事、、、と言われるかな

espresso
毎度のことではあるが
昼飯を食べると釣果もぐんと伸びる

年がら年中上の方へばっかり行ってるから
たんに魚が浮いてくるのがその時間になるという事なんだけどね

しかしながら昼を食べ終わると
今度は釣りをしていられる時間もそろそろお仕舞いに近いって事にもなる

やっぱりこれも
上流域ばかりに目をくれてるせいなのであるから仕方がない

上の方に居て そこでいつまでもぼ〜んやり糸を垂れていると
あっという間に暗くなっちゃうんだな 今時分になると
別に暗くなってもいいんだけどね ちゃんとした道があるんだったらね

でもココにはソレは無いと来てる

だから
毛鉤やハリスなんかにはからっきし気を使わないのに
脱渓する時間だけはしっかり計算出来たりする
 ”逆算すると三時頃には下り始めないとね” 
などとサラリとした口調で同行者をたしなめるように吹いてたりして、、、



真っ白な峪で峪と同じに真っ白ないわなが釣れた
想っていたようないわなが釣れたので
さっさと片付けて峪を降る支度にとりかかる

峪を下りながら
今度は何時何時来ようとか
あすこの二俣に良いテン場があったねとか
そんなことを話なしながらキツイ角度のある峪を降った


林道で天を仰ぐ love and peace な青年、、、

そんなジミ風の青年の後ろを通りすぎて次のカーブで彼が見えなくなった頃
  ”何してるの?って聞けば良かったなあ” なんて同行者が言ったけど
アノ場で彼に聞ける雰囲気は、、、、無かったね

そしてそこから小一時間
林道を降って辺りが薄暗くなった頃車止に着いた

車止めにはアノ青年が乗るにふさわしい感じのフォルクスワーゲンが停まっていた
もちろんそのバンには カルフォルニアとかラブとかいう類のデカールが貼ってあったのはいうまでもない

白いいわな釣 つづく

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この記事へのコメント
やまかわさん
お世話になります
じゅんいちくんに送って頂きました ストーブ使わせて頂きます

犬型クリップは結構前から使ってます
他にも持ってるんですが 犬から離れられません
Posted by m&M at October 19, 2013 00:21
犬の形のクリップを発見!
JSBやまかわです。どうぞよろしく

ちなみに、私はペンギンの形のクリップを使っています(笑)
Posted by JSB at October 18, 2013 19:43
らくか さん
やってみるといがいと普通の事ですよ
とっかかりのきっかけさえ有れば あとはもうご飯食べるのとおんなじです
Posted by m&M at September 28, 2013 12:42
林道を横切って、釣りに帰る。いつかやってみたい。(そればっかりですが。)楽しく読んでます。
Posted by らくか at September 28, 2013 04:47